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2014年5月23日

小説「荒南風」阿井渉介著を読んだ



海の男の心意気を纏ったヒーロー小説。

遠洋漁業に従事していた主人公。ある時会社が立ちいかなくなり、仲間が銃の密輸に手を染めてしまい監獄行きとなってしまう。

勤めを終えた後、密輸をさせた黒幕を探し出すために命も顧みずヤクザ事務所に出向きます。

普通なら復讐をするべく行動を起こすってストーリーが思い浮かぶんですが、主人公はあくまで警察に出頭させ罪を償わさせることにこだわり、危うくなってもあきらめません。

結局黒幕は自分のせいでお亡くなりになってしまいますが、密輸の全容は明らかになり、主人公も納得して関係者の前から忽然と姿を暗ましてしまいます。

必要に追ってくる刑事の内情や黒幕の事情もなんのその、ただひたすら真実を追いかけ突きつける主人公には、潔さというか真摯な態度は爽快感が漂い、清々しいほどの性格に圧倒されます。

こんな男性がいたらもてるでしょうねー。

読んでいてミステリ的な感じも含んでおり、楽しんで読むことが出来ました。

遠洋漁業についてもよく書き込まれていて、見識も広がります。

大切な海の幸をちゃんと手を合わせていただかないといけないって思いました。



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