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2014年1月18日

「永遠の0」を読んで見た



感想としては、先が気になって一気に読める嫌な気持ちで終わらない小説でした。

本のレビューなどでたまに見かけるんですが、史実と合っていないとか、実際と異なるとかの理由で酷評を見かけることがあるんですが、どんな小説や映画などでも、実在した人が出てくるものってのは多いのに、フィクションなのに何故固執して酷評するのかよくわからない人もいるみたいですね。

小説の中で語られている中心人物、宮部久蔵さん本人は既に戦死していて本人が自ら語ることはありません。宮部久蔵さんとその時代を共に生きた人たちの記憶の中で語られることになっていきます。

宮部久蔵さんの軌跡を辿るのが孫の2人。
臆病者と言われたゼロ戦パイロットの本当の真実が本人以外の人の口から次々と語られていきます。

読んで思ったのが、宮部久蔵さんという人は、時代に流されず、自分に信念を持って誠実に生きた人なんだと思いました。

時代背景を思うと、「死にたくない」とは中々言えない。
周りの同調作用もあって、ただ引きずられていく人たちの中で、宮部久蔵さんだけは自分を保ち続けた。

でも、その誠実な心が、家族のもとへ絶対に生きて帰るという思いを凌駕してしまいます。

しかし、読み進めていくと、どんな形でも必ず帰ってくると言った宮部久蔵さんの思いの大きさを思い知らされます。

ぶきっちょでも、宮部久蔵さんのような人は、今の時代に必要なような気がしてなりません。

こんな人がパートナーだったら、苦労するかもしれませんが、パートナーであることを誇りに思えることは間違いないような気がします。

小説が苦手な人も、楽しめる面白い一冊です。オススメ。



406276413X永遠の0 (講談社文庫)
百田 尚樹
講談社 2009-07-15




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