職場の人から「もういらないから上げる」と言われ、頂いた一冊。
副題に掲げられているのは「二十年目の恩讐」。
読むとそれがわかりました。
とある有名新聞の新卒採用者の中に、20年前におきた幼児誘拐事件を起こした犯人の娘が入っていたことから物語が動き出します。
結構20年前のことがそこかしこに現在に響き渡り、実際の誘拐事件の顛末を覆すことになるんですが、ちょっとな~っと思うところが。。。
とても快調に読み進めることができ、面白いとほんとに思うんですが、最後が尻切れトンボ。
以前読んだブレイブ・ストーリーでも思ったことなんですが、もう少しエピローグてきなものを書き込んで欲しかった!
読者の想像にお任せします的な終わり方は、はっきりってこの小説向きではないと思うんです。
登場人物の中に、誘拐犯の娘とされている娘と同じ大学に通っている武藤 俊治という青年がいるんですが、この青年と父親のその後が全く書かれていないんです。
この二人がこの小説のキーワードなんですが、エピローグでは一切出て来ません。
その時点であぁ惜しい作品だっと思いました。
それが書き込んであれば、納得いくいい作品だったと自分の中で思えるんですが、書かれてないせいで、読んだ後脱力感とモヤモヤが一気に襲って来ましたよ。
ページを捲ってさぁどうなった!って思ったら何にもなし。。。。
全体的にはいいかもしれませんが、締めがなってないとほんと面白さ半減って感じでした。
後半の真実の告白にもやはり疑問符というか説明不足が垣間見えて、賞をもらうほどかな?って素人目に生意気にも思っていまいました。
ただ思うことは、何も知らなかった人達に幸あらんと願いたくなる本でした。
翳りゆく夏 (講談社文庫) 赤井 三尋 講談社 2006-08-12 |
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